六本木ヒルズで体験した東日本大震災

2011年3月11日午後2時40分頃、私は職場の六本木ヒルズ地上20階に居ました。多少の地震は何度か体験しましたが、あれほど命の危険を感じた揺れは初めてでした。

それまで遭遇した六本木ヒルズで地震は、横にグラーっと揺れるタイプだったのですが、東日本大震災の時の揺れは、下からドンドンと持ち上げられるように感じられました。
隣のレジデンス2棟が、目視で分かるほど横に大きく揺れているのを見たときは、ヒルズ倒壊も頭を一瞬過ぎりました。
ただ、さすが六本木ヒルズは日本でも有数の強力な耐震構造を持つ高層ビルなだけあって、エレベーターが停止する以外は特に大きな被害は無かったようです。

映像で見えますが、ちょうど地震が来た時にレジデンスで窓清掃をしていたゴンドラが宙吊り状態になっていました。ゴンドラはブランコのようにグォングォンと揺れ、載っていた人は相当な恐怖を感じたと思います。

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もちろん、揺れが収まったころを見計らってゴンドラは回収され、無事に作業員は脱出できました。
映像の左手奥に見える煙は、建築中の建物屋上が燃えた火事です。

大きな揺れが収まった後、まだ食べていなかった昼食を摂りに下まで階段で降りました。余震の恐怖に怯えながら地上へ降りた時に驚いたのは、オフィス内での緊迫感とはギャップのある、落ち着いた人々の雰囲気。カフェではお茶を飲みながらテレビで東北地方の地震の状況を見る人たち、地下街では店が普通に営業していて、特にいつもと変わらない昼の景色でした。
20階の階段を昇るのが、予想以上にシンドイのも初めて体験しました。

当日の日中は、電車は止まり、交通機関が麻痺していたので、私鉄が復旧するまで職場で待機しました。結局、23:00過ぎに田園都市線が復旧したので、大江戸線のホームへ向かいましたが、

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復旧を待っていた人々が一斉に駆け寄ったため、駅はどこもかしこも混乱状態でした。ホームに着いてから1時間弱は電車に乗れませんでした。

それでも、当日は終日運行してくれたおかげで、自宅へ帰ることは出来ました。

自宅近辺は特に被害があった様子はなく、街中の電気は付いていて、新聞配達のバイクが走るいつもの早朝といった感じでした。
ただ、帰宅してテレビを付けて、ニュースを見て初めて東北地方の惨状を見ることができ、地震や津波の凄まじさに衝撃を受けました。
今は、一人でも多くの被災者の方が無事なことを願って止みません。