LinkStationの削除済データを救出:PhotoRec編

PhotoRec
前回、LinkStationの分解をしてハードディスクを取り出し、玄人志向のSATA->IED USB接続ケーブル「玄続」を使って、ハードディスクをPCに接続するところまで済ませました。今回は、Windows用のPhotoRecというファイル救出ソフトを使って、データの救出を行います。

PhotoRec_siteTop
PhotoRecはGNUライセンスのオープンソースプロジェクトで、無料のソフトです。2011年2月13日現在の安定版はver6.11で、こちらで配布されています
ソフトは、赤丸部分のdownloadsから入手します。

PhotoRecDownLoadPage
downloadsページには、Windows,Mac,Linuxなど、ほとんどのOS用が用意されています。今回はWindows用を使用します。
クリックすると、ブラウザがIEなら保存先を聞かれ、ChromeならDownloadsフォルダへtestdisk_..という名前のzipファイルが格納されます。

PhotoRecFolderAfterExpand
ダウンロードが済んだら、zipファイルを解凍します。私はChromeで落としたので、Downloadsフォルダにzipがありました。
zipを解凍するとzipと同じtestdisk_..という名前のフォルダが生成されます。それを開くと、winというフォルダがあるので開きます。

PhotoRecWINfolder
開いたフォルダにある、photorec_win..と書かれた目玉のようなアイコンがPhotoRec本体です。ダブルクリックして起動します。


diskLoad
起動するとDOS窓が開き、PCに繋がっているハードディスクを勝手に確認し始めます。

chooseDisk
繋がっているハードディスクを表示されます。カーソルキーの上下を使って、容量などから推測してLinkStationのハードディスクを選びます。選んだらEnterキーで次のステップへ移ります。
ちなみに、やめたい場合はカーソルの左右を使って、ProceedをQuit(終了)にしてやめます。

choosePartition
次に、ハードディスクのパーティションタイプを選びます。以降、選んだ後はEnterで決定です。今回はLinkStationなのでLinuxマシンですが、何となくIntel/PCパーティションの気がしました。

choosePartitionType
次に、パーティションを選択します。ここでは、Linuxマシンであることが分かっているので、Ext2/Ext3/Ext4を選択しました。調べると、LinkStationはxfsというフォーマットらしいのですが、結果としてExt2/3でちゃんと救出できました。
(キャプチャはLinkStationのものではないので、Ext2/3は表示されていません)

chooseFileSystem 
次に、ファイルシステムを選択します。ここもExt2/Ext3/Ext4 filesystemを選択します。

chooseFileSituation 
次に、Free(削除したファイル)か、Whole(全体)かを選択します。今回は、削除したファイルを選択しました。

chooseSavePlace 
最後に、救出したファイルの保存先を選択します。
ここで、少しDOS操作の知識が必要になります。最初にいる場所は、先ほどPhotoRecを開いたフォルダなのですが、赤丸の付いた「..」でEnterを押して上の階層へ行けます。
予め、救出したファイルの保存フォルダを、十分な容量のあるディスクに作成しておきます。場所は、PhotoRecの場所近く、またはワケあって別のハードディスクに置くなら、その直下(ルート)に置いておくと、ここからの移動がラクです。
あと、自分で分かりやすいフォルダ名で作成しておくと良いです。
「..」を使って階層を上に上っていき(必要なら特定のフォルダを選択して下っていき)、自分で作った救出フォルダまで辿り着きます。
その場所に来たら、「y」キーを押して救出開始です。


Recoverying_PhotoRec
救出したファイルの拡張子が、カウンタで次々に上がっていきます。今回はm2tsファイルの救出が目的でしたが、m2tsファイルもちゃんとカウントアップされてます。

diskFull 
救出万歳!とばかりに調子に乗って放っておいたら、救出フォルダのあるハードディスクがあっという間にいっぱいになってしまいました。
画面は、ディスクがいっぱいだから作業を止めたので、別の空き場所を選べと指摘されているところです。
と言っても、他にディスクなんてありません。そこで、今回のお目当てであるm2ts以外の要らないファイルを手作業で消す事にしました。

choosingNotNeedFiles 
救出されたファイルは、recup_dir.に通し番号の付いたフォルダへ格納されていきます。エクスプローラーの検索を使って、先ずは.m2tsが無いフォルダを片っ端から削除しました。
次に、m2tsのあるフォルダ内では「種類」でソートして、m2ts以外のファイルを片っ端から削除しました(場合によっては、全選択した後にctrl+マウスドラッグでm2tsの塊を非選択にした方が速いです)。
これで、m2ts以外の救出ファイルを全て抹殺し、前の画面に戻って保存場所で再度「y」キーを押して救出再開です(ちなみに、現在位置がまたPhotoRecのフォルダがになっているので、「..」を駆使して元の救出フォルダへ辿り着かなければなりません)。
ここからは、また一杯になると面倒なので、たまに状況を見ては要らないファイルを消す自転車操業でいきました。

PhotoRec_RecoveryFinished 
そんなこんなで、PhotoRecに救出作業をさせること約丸1日。無事、全ての削除済みファイルから救出可能なファイルを取り出すことに成功しました。
Quitが白反転しているので、Enterキーを押してプログラム終了です。


救出されたm2tsファイルを見て見ると、残念ながらファイルが断片的になっているのが分かりました。ただ、ストリーミングファイルなのでまだマシです。断片化されてしまったと思われる容量のmpeg2などのファイルは、開くことすらできませんでした。m2tsは、開いて見ることが出来たので、バラバラになったファイルを繋げば何とか修復できそうです。

次回は、m2tsの編集が可能なソフトで、救出したファイルを修復していきます。