雨の富士山を登った

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昨年、雨の富士山に登ってきました。

雨の富士山に登りたかった訳では無いのですが、残念ながら登山中に雨となってしまいました。

登山日の1週間前から、予報は曇りか雨だったのですが、当日は曇りだったので決行しました。私には3回目の富士登山ですが、初めて雨になってしまいました。
日程は、土曜日の21:00に5合目発、頂上で御来光を浴びて、日曜日の昼過ぎ5合目着という感じで、一般的に弾丸登山と言われてるスケジュールでした。
メンバーは、自分以外は登山初心者なので、ルートは最も簡単な吉田口ルートにしました。

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5合目から6合目の間は、星空が見えて、夜ということもあって皆テンション高めでした。高低差がほとんど無いので、気楽に登れます。

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問題は、6合目からでした。
ここから、ガス(おそらく雲)に入って天気が悪くなりました。また、道の斜度が急にキツくなります。
6合目までの元気はメンバーからなくなり、予定に無い休憩が出始めました。

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7号目に来ると、雨がパラつきました。一部の辛そうなメンバーに合わせて休憩の回数は増え、酸素缶を吸うメンバーも出始めました。
また、必要以上に休憩を取ったことで、スケジュールに遅れが出始めました。
この時に役立ったのは、防水のヘッドランプと通気性の良い雨具、軍手です。
この辺から、掴んで登るような岩が登山道に増え、特に雨の日は滑りやすいので、両手を空けるためにはヘッドランプが必須です。私は小さ目の安物を買って行ったのですが、雨の日は想像以上に暗くガスるので、もっと光量のあるライトにすれば良かったと後悔しました。
あと、標高からして暑くなることは無いのですが、通気性の良い雨具(雨ガッパ)の方が、登山中に蒸れなくてベターだと思います。

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本8合目に到着する頃には、空が白んできました。雨は降ったり止んだりで落ち着きませんでした。
ここで脱落者が出ました。おそらく高山病(私自身なったことが無いので分かりませんが)で、頭痛と寒さによる震えが酷い状態でした。雨ざらしの外では身体に良くないので、山小屋に避難させました。
ここで1つ勉強になったことがありました。山小屋はお金を払わないと、少しも休ませてはくれません。小屋に入って勝手に椅子に座ろうとすると、怪訝そうな顔で何か用かと尋ねてきます。
また、宿泊客分のスペースが空いてない場合は、椅子が空いてても高山病程度の人は急な休憩を断られます(2012年の話)。まぁ、小屋にも暖房費などの事情があるので仕方ないのですかね。
本8合目で3件回って、1時間1000円で休憩させてくれる小屋をやっと見つけました。高山病になったメンバーをその小屋に留まらせ、回復したメンバーを連れて頂上を目指しました。留まったメンバーは、結局3000円払って4時間ほど休憩させてもらったようです。そのメンバーは、高山病の症状が酷い場合、高度が下がらないと回復が難しいことを知っていたので、症状が落ち着いたところを見計らって自力で下山していました。

それから、山小屋のトイレはコイン式の有料です。トイレに行きやすい人は、小銭を多めに持って行った方が無難です。

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9合目辺りでは、途中何度か青空が見えましたが、基本的には雲の中という感じでした。もちろん、天気的にも時間的にも、残念ながら御来光を拝むことは出来ませんでした。
更に、頂上まであと20分程度というところで、また別のメンバーが高山病にかかってしまいました。
仕方ないので、元気なメンバーは頂上へ行かせて、私と具合の悪いメンバーは留まりました。
頂上付近なので気温が低くい上に、雨がパラつきました。そのせいで、高山病にかかったメンバーは身体が冷えてガチガチに震えてました。また、気分が悪かったのか吐いてしまいました。
この時に役に立ったのは、携帯アルミ寝袋とコンビニのビニール袋、トイレットペーパーです。
しばらく、アルミ寝袋にフリースで震えが落ち着くまで待ち、雨が酷くなる前に下山しました。

今まで、晴れの富士山の下りしか体験したことが無かったのですが、雨の中を下るのは暑くないし、埃が舞い上がらなくて良かったです。
ただ、弾丸登山で寝ぼけていたため、晴れた時に備えて大量の水を背負っていたのを忘れてました。勿体無いけど重いだけなので、水は捨てました。
あと、メンバーの1人が持って来ていた登山用ストックですが、下りで膝への負担を低くするのに威力を発揮するようです。

高山病にかかったメンバーが何人か出ましたが、翌日の14時頃には全員無事に下山できました。
雨の富士山は正直つまらなかったけど、いろいろと勉強になることがあって良い経験になりました。